不動産管理にフリーソフトを利用するのは、基本的に避けたほうがよいでしょう。
たしかに無料で簡単に利用できるのは魅力的です。
しかし「管理の労力を軽減する」というシステム導入の本来の目的を考えれば、フリーソフトでは力不足な点が多いのです。
今回は、なぜ不動産管理にフリーソフトを使わないほうがよいのかを5つの理由で説明していきます。
理由1. フリーソフトはサポートが弱い!
フリーソフトの使用をすすめない一番の理由が、サポートの弱さです。
ソフト自体の提供停止やアップデートの終了もありうる
フリーソフトは開発者の意思ひとつでソフトの配布が終了したり、アップデートが終わったりする可能性があります。不動産管理で顧客のデータを扱う以上、サポートの不安定さは大きなリスクです。
わからないことがあっても自己解決しなければならない
フリーソフトには電話窓口、チャットやメールによる相談窓口、担当者といったものが存在しません。わからないことがあってもすべて自己解決する必要があります。また、法改正があったときどうするかも自分で考えなければいけないのです。
理由2. フリーソフトは大規模なデータ管理が苦手!
不動産管理では多様なデータを扱いますよね。所有している不動産そのものの管理、入居する人の管理、オーナーの管理、賃貸料や駐車場料金などお金の管理、請求書や契約書といった書類の管理などなど……。しかし、実はフリーソフトの多くは不動産管理のような大規模なデータ管理をするのが苦手なのです。
ひとつのフリーソフトではすべての機能をまかなえない
フリーソフトの多くは単一の機能しか持ちません。これひとつ入れておけば不動産管理は問題ない、というソフトがないのです。
あくまで簡易的なもののため処理能力に限界がある
例えば、表計算のフリーソフトで情報を管理すると、入力したデータが増えれば増えるほどソフトの動作は重くなっていきます。フリーソフトはあくまでも簡単に、簡易的に利用するものなのです。
データのやりとりまで考慮していないためソフトどうしの連携に難がある
フリーソフトはまったく別の人がつくったソフトとデータの受け渡しをすることまで考慮されていません。そのため、ソフトどうしでデータのやり取りをするときには特に不具合が出やすいのです。
理由3. 機能ごとに違うソフトを使い分ける労力が無駄!
使い分けが必要なフリーのソフトは、当然ながらひとつひとつ操作感もデザインも違います。
どんなソフトでも慣れるまでには時間がかかる
どんなものでも、初めて使うものに慣れるまでにはある程度時間がかかります。 複数のフリーソフトを導入した場合、「慣れる」ためだけに大量の時間を必要とするため、その時間が無駄になるのです。
担当者が変わった場合の引き継ぎが大変
もし担当者が変わったり新しく人を雇ったりした場合、次の担当者がソフトの仕様に慣れるまでにはやはり時間がかかります。ここでも無駄な時間と労力を使うことになってしまいます。
理由4. 「情報の共有」が難しい
フリーソフトは個人での使用を想定しているものが多いため、基本的に複数人で情報を共有することが苦手です。 担当者が一人ならば問題ありませんが、数人いる場合データの管理が煩雑になってしまいます。
理由5. フリーソフトはカスタマイズ性や専門性で劣る
フリーソフトの多くは個人が趣味で作っています。そのため、機能の専門性やカスタマイズ性、アップデートの速度などが有償の商品より数歩劣るのです。当然使い勝手が良いものばかりではありません。
不動産管理にソフトやシステムを導入するのは、面倒な作業をまとめることで楽をするためです。しかしフリーソフトを使うと、楽をするつもりがより面倒になってしまう場合も少なくありません。
サポートもなく情報の共有も難しいうえ、さまざまなソフトを使い分ける必要のあるフリーソフトは不動産管理には不向きです。業務を楽にするためにはどのような機能や使い勝手が必要かを考え、適切な不動産管理をしましょう。